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日常は、狂気にあふれている…というお話。
部屋に閉じこもり、マンガの下描きをしていると、
家の前の道を絶叫しながら歩いて通るやつらがいる。
絶叫…と言っても、会話である。
よく聞き取れないが、誰かが誰かに喋っている。
その声が、絶叫なのである。
近づいて来る過程で、ケンカか?と思った。
だけど違った。
単なる会話だった。
声の感じからして中学生くらいかな。
あわてて耳栓をしたが、間に合わず。
さまざまな感情が心の底にドロドロと溜まっていく。
「なぜ、あんな大声で話すんだ!」
「住宅街、それぞれの家に人が住んでいることを想像できないのか!」
「ふざけんな!」
家を飛び出して注意しようか、少し迷う。
面倒くさいので、行かなかったけど、
想像してしまったらおしまいなのです。
もし、飛び出して行って注意するとしたら、
どういう声のかけ方をするだろうか、そして向こうの反応はどうか。
その結果、どうなるか。
など、いろいろ想像が膨らんで止められなくなる。
耳栓をして、大音量で音楽をかけた。
しかし、心が動揺して仕事にならない。

ああ、嫌だ。
嫌な人間のいない世界に行きたい。
僕は、街を歩いていて、嫌な人間に出くわすと、
その記憶が残らないように、走ってその場を離れる。
それか目を閉じて耳をふさぐ。
それでも、嫌な人間がいたという記憶は、
どうやったって僕の頭の中に入ってくる。
記憶は定着しようとする。
むしろ、そういう記憶の方が、世界の国名と首都名とかよりも
鮮烈に記憶に残る傾向があるのは間違いない。
かるく一週間は、事あるごとに思い出してしまって、
ムカムカとして仕事にならない。
ただ、
嫌な人間がいると認識した瞬間、五感をすべて閉じて、
その場から離れれば、少しは記憶を汚さずにすむのだ。
せめてもの抵抗。
でもね、家にいる時はどうしようもないんです。
家の前で、何かされたら防ぎようがない。
はぁ…
私は、貝になりたいですよ。
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